黄檗カレンダー令和二年十一・十二月の書です。
黄檗カレンダーは黄檗宗青年僧会発行のものです。
『雪壓難摧礀底松』
【書き下し】雪壓せども摧け難し礀底の松(ゆきおせどもくだけがたしかんていのまつ)
最後の『礀底の松(かんていのまつ)』ですが、長い間もみにもまれて深く谷底に生い立った松を意味します。雑木は積雪に押し潰されることはあっても、礀底の松は、それくらいの事には動じません。そのように、どんなことにも動じない心と精神が大切であると教えたものです。
この語には上に対句があります。「風吹不動天辺月」です。
【書き下し】風吹けども動ぜず天辺の月(かぜふけどもどうぜずてんぺんのつき)
雲などは風に吹かれると動きますが、天上の月は一切動じない。上で紹介した句と同じ教えを説いたものです。
この句を繋げますと「風吹不動天辺月 雪壓難摧礀底松(風吹けども動ぜず天辺の月 雪壓せども摧け難し礀底の松)」となります。上で、この句が説いている教えを紹介しましたが、別の解釈もあります。月と松を佛性(全てのものが持っている仏様のこころ)とし、風と雪を煩悩妄想にし、佛性というものは煩悩妄想に左右されたり汚されたりするものではないという解釈もできます。
この句の月や松の様に、いろいろなものに左右されない確固たる信念や挫けることない心をもつことは難しいものです。年末に近づいている今、考えさせられる句でした。もっともっと、自己を練磨していきたいものです。
水子供養と永代供養墓の京都のお寺
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宝善院(ほうぜんいん)
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