月初めに、本堂・八仏・墓地(一般墓・永代供養墓の観音さまとお地蔵さま)・水子供養の数珠掛け地蔵尊への回向を行いました。もう11月です。実りの秋ということで、食欲も増しているのではないでしょうか。11月1日の京都新聞の凡語欄に載っていましたものを紹介致します。
「これを食べるとダイエットに良い」なんて聞くと、つい頼りがちなのは世の常のようで・・・。昔、三条中納言という立派な人が、肥満に悩んで医者から「水飯(すいはん)」を勧められ、山盛りの鮎の寿司や干瓜をおかずに、大椀の水飯をお代わりしてあきれさせた。平安末期の「今昔物語」に収められた説話の一つだ。水飯は冷や飯や乾飯を水に浸した夏の食べ方で、よくかんで食事量を減らしてもらう算段だったのだろう。
人間らしい話だなと思いつつ、私もそのうちの一人だなと。何か利益になりそうな話を聞くと興奮してしまう。他人の言葉や事柄で人間の心はすぐに揺さぶられてしまうものですね。
禅語で『八風吹不動【読み下し:八風(はっぷう)吹けども動ぜず】』というものがあります。八つの風と書き『八風』ですが、人間が求める四つの出来事と避ける四つの出来事を指します。「四順(しじゅん)」と「四違(しい)」です。この心を揺さぶられやすい八つの風に動じないということになります。
動ぜずとは書きましたが、これは全てのものに対してではありません。人間はどうしても沢山のものに左右されます。この禅語は禅の修行者に対して言われたもので、禅修行での八風に動ずるなと発したものです。ただ、禅修行だけではなく日常生活にでも言えることです。
学生の方なら日々の勉強やクラブ・クラスでの活動や受験。社会人の方なら資格取得の勉強・仕事のスキルアップ・商談。また、各家庭にも言えることです。そんな日々の生活では、誰にでも八風が吹いています。時には流されながらも、自分が何をすべきか目標は何かをしっかりと定めながら生きていく事が大事です。なかなか難しいことではありますが、私もこの様に生きていければと思っております。
水子供養と永代供養墓の京都のお寺
〒611-0011 京都府宇治市五ヶ庄三番割34-3
宝善院(ほうぜんいん)
副住職 秦 崇志(はた そうし)
電話 0774-32-4683