みちしるべカレンダー8月の書です。
みちしるべカレンダーは黄檗宗青年僧会発行のものです。
『和光同塵』
和光同塵(わこうどうじん)
もともとは老子の語で、『光を和らげ塵に同ずる』と読み下すことが出来ます。自身のすぐれた学徳や才能の光を和らげそれを表に出さず、世間に入り混じっていくという意味です。
禅門では、仏様・菩薩様が衆生を救済するため、私たちが生活する俗世に威光を和らげ現れることを意味します。また、自身の悟りの光を深く隠し、衆生を済度することも指します。
御本山萬福寺では、三門をくぐると七福神の『布袋(ほてい)さん』が正面に見えます。この布袋さんは、日本最古の七福神巡拝でも有名です。七福神の中では唯一、実在した和尚さんです。この布袋さんの生涯は、『和光同塵』の語があてはまります。後梁(こうりょう)時代、中国浙江省の契此(かいし)という禅僧が布袋さんとされています。いつも太鼓腹の姿で大きな袋を背負い、寺に住することなく所々泊まり歩いていたと伝わっています。袋の中には、衣・教本・食べもの等一切のものを入れていました。各地を行脚し、訪れた先々で施された物すべてに喜び頂かれていました。その幾らかを袋に入れていたそうです。風変りな僧侶であったが素直な気持ちの持ち主で、会った人は誰でも、自然に福徳円満な気持になり親しまれたそうです。この生き方は、『和光同塵』の一つといえます。
布袋さんには、人の吉凶を言い当てたり、雪の中で横になっても布袋さんの上には雪が積もらないなどの逸話が伝わっています。その布袋さんは、いつしか中国の弥勒菩薩信仰と交わって「弥勒菩薩の化身」といわれるようになりました。萬福寺の布袋尊が「弥勒菩薩」とされる由縁です。明朝様式の寺院では、お寺の玄関口に祀られています。布袋和尚から徳を授かるといわれています。写真は、本山萬福寺に祀られている布袋さんです。お参り頂けれたら幸いです。
水子供養と永代供養墓の京都のお寺
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