みちしるべカレンダー6月の書です。
みちしるべカレンダーは黄檗宗青年僧会発行のものです。
『喫茶喫飯』
【読み】喫茶喫飯(きっさきっぱん)
字の通り、お茶を飲み、ご飯を食べることです。
同様の禅語に「遇飯喫飯 遇茶喫茶(飯に遇えば飯を喫し 茶に遇えば茶を喫す)」というものがあります。ご飯を頂いたならそのご飯を食べ、お茶を頂いたならそのお茶を飲む。ただただ、頂いたご飯・お茶を喫する時は喫することだけに集中をする。
黄檗宗の総本山黄檗山萬福寺には、斎堂(さいどう)という食事をするお堂があります。普段、修行者である雲水が主に食事の為に使っているお堂です。この斎堂は、浴室と東司(とうす:便所のこと)と一緒に、些細な物音や私語を禁じている「三黙道場(さんもくどうじょう)」と呼ばれる場所でもあります。食事をすることもお風呂に入ることも日々の生活全てが修行であり、すべてのものに集中して行ずる。今回の禅語『喫茶喫飯』は、そこに繋がっていくのではないでしょうか。お茶を飲む時も食事をする時も、挙手投足それぞれに最善を尽くす。禅宗が大切にしている瞬間瞬間、その時その時をおろそかにしてはいけませんよと顕しています。
写真は、先日に紹介しました水子供養の数珠掛け地蔵尊前に咲く桔梗(ききょう)の花です。宝善院にはたくさんの植物があります。芽が出て、成長し蕾をつけて、花を開きます。常に、自分が植わった場所で最善を尽くし大きくなっていきます。その姿は、『喫茶喫飯』に通じるものがあるように感じます。
日々の生活でのご縁をおろそかにすることなく最善を尽くして相対することができれば。まずは、日々の頂くお茶・ご飯から。
水子供養と永代供養墓の京都のお寺
〒611-0011 京都府宇治市五ヶ庄三番割34-3
宝善院(ほうぜんいん)
副住職 秦 崇志(はた そうし)
電話 0774-32-4683