みちしるべカレンダー4月の書です。
みちしるべカレンダーは黄檗宗青年僧会発行のものです。
『脚下照顧』
【読み】脚下照顧(きゃっかしょうこ)
「脚下(きゃっか)を照顧(しょうこ)せよ」となります。『照顧脚下』と書かれる場合もあります。『脚下』は足もとのこと、『照顧』は照らし顧みるとなります。「その立っている足もとをよく見なさい」という意味です。
この禅語を禅寺の玄関先にある木札などで目にされた方は多いのではないでしょうか。「足もとに気を付けて下さい。履きものを揃えましょう。」という住職からのお願いが込められていますが、それだけではありません。
この禅語は、三光国師(弧峰覚明/こほうかくみょう)が「如何なるか是れ祖師西来意(そしせいらいい)」と問われ答えたものです。「祖師」は禅宗の初祖である達磨(だるま)大師のこと、「西来(せいらい)」は西方インドよりはるばる中国へ来られたことです。「達磨大師がインドより参られた真意とは何か」という問いです。それに対して『脚下照顧』と、「足もとをよく見なさい。その真意の中に立っているのが分かりませんか。」という意味です。その真意をどこか遠いところに求めていますが、今現在立っているところが仏道の中であり真理でありますよと言われています。道元禅師も「仏道は人々(にんにん)の脚跟下(きゃっこんか)にあり」と示されています。
それは仏道に限ったことだけではありません。日頃、私たちも何かの答えであったり大切なものを遠いところや高いところに求め苦しむことが多々あるのではないでしょうか。迷い苦しむことがある時、脚下を照顧してみて下さい。何か違った見え方ができるかもしれません。
「小さな幸せ」もその一つです。
水子供養と永代供養墓の京都のお寺
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