みちしるべカレンダー十月の書です。
みちしるべカレンダーは黄檗宗青年僧会発行のものです。
『日々是好日』
【読み】日々(にちにち)是(これ)好日(こうにち)
『日々(にちにち)』という読み方は慣れないかもしれませんが、そのまま「毎日・日々」のことです。「日々、好い(よい)日である」ということですが、なかなかその様に上手くは行きません。無常の世、雨の日もあれば、寒い日や暑い日があります。辛いこと、悲しいこともあります。
この『日々是好日』は中国唐時代の雲門文偃(うんもんぶんえん)禅師が申された語で、碧巌録(へきがんろく)という語録に示されています。ある日、雲門禅師は大勢の弟子たちに向け「これまでの15日以前のことはさておき、これからの15日以降のこころを一言で申しなさい。」と尋ねられました。弟子たちは誰一人答えることができず、すぐに雲門禅師は自ら『日々是好日』と答えられました。
どのような日であろうと、かけがえのない日。限りある時間、晴れの日、雨の日、すべての日が尊い『好日』であるという考え方もできるとは思います。他の考え方として、遊ぶときは遊ぶ、仕事をするときは仕事をする、休む時は休む。また、嬉しい時には笑い、悲しい時には泣き、怒る時には怒る。一瞬一瞬を懸命に生き、そこに分別執着をとどめず、それらに右往左往されなければ、悩んだり煩う気持ちもなく『日々是好日』と言えるかもしれません。
しかしながら、この語は説明の及ばないところがあるとされています。白隠(はくいん)禅師もこの語に対して「講釈はできない、難透難解」と申されています。
変えることの出来ない過去そして現在、これから来る未来。一瞬一瞬の積み重ねが『日々』になっていきます。それらを無事に超えていくことも『好日』に繋がっていくのではないでしょうか。大変難しいことではありますが、その一瞬一瞬を大切に過ごしたいものです。
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