本日より秋のお彼岸に入りました。祝日(敬老の日)も重なり、多くの方がお墓や水子供養の数珠掛け地蔵尊へお参りにお越しになっています。
秋のお彼岸は、秋分の日(令和三年は23日)の前後3日の計7日間からなります。春と秋にあるお彼岸ですが、平安時代に編纂された『日本後記』に「諸国の国分寺の僧をして春秋二仲月別七日に、金剛般若経(こんごうはんにゃきょう)を読ましむ」と記載があるようです。崇道天皇が崩御(ほうぎょ)され、追善供養を春と秋のお彼岸に昼夜問わずに行ったことが、現在の彼岸会の始まりとされています。善行を行い功徳を積む期間となり、また、ご先祖様を偲び先祖供養の期間です。日本国憲法には、秋分の日を『祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ』祝日となっています。
『彼岸』ですが、「彼方の岸」からくる言葉で、仏様の境地に至るための超えるべき迷いや煩悩を川に例え、この向こう側(彼方の岸)へ修行の完成によって至ることを意味しています。菩薩の修行で『六波羅蜜(ろくはらみつ)』というものがあります。六つの「波羅蜜」ですが、サンスクリット語の「Pāramitāパーラミター」の音写からくる言葉です。この「Pāramitā」の意味は、pāram(完成(彼岸)に)とita(至った)であり、「彼岸に至る」となります。その修行を修める期間がこのお彼岸の一週間となっています。
『六波羅蜜』は六つの善行のことを指します。
少しでもこの『六波羅蜜』の実践をしたいものです。この六つの波羅蜜で、「布施」以外は自己への修行なのですが、「布施」は他人の為に行う他利行(たりぎょう)にあたります。お布施はお金を納めることと直結する方が多いように感じますが、それだけではありません。自身が知っている知識を他人に分け与えることや、人の不安や悩みを取り除いてあげることも立派な布施行といえます。
宝善院では、秋のお彼岸のお中日(秋分の日)に彼岸会の法要を執り行っています。本堂で檀信徒様・有縁者様の先祖供養を行い、墓地に於いて総回向法要を厳修しております。本年もコロナ禍ということで規模の縮小を余儀なくされていますが、お焼香等の準備はございます。どうぞお参り下さい。
最後に、墓地の樹木葬の区画に可憐な花が咲いていましたので紹介しておきます。お参りの際に、覗いて頂ければ幸いです。
水子供養と永代供養墓の京都のお寺
〒611-0011 京都府宇治市五ヶ庄三番割34-3
宝善院(ほうぜんいん)
副住職 秦 崇志(はた そうし)
電話 0774-32-4683