8月7日は、夏から秋へ季節が移り変わり始める日とされる『立秋(りっしゅう)』でした。暦の上では一年で一番暑い日とされ、この日以降の暑さは「残暑」とされています。この立秋の日に宝善院では、水子供養の総回向法要と数珠供養の法要を行う『点灯会(てんとうえ)』を執り行いました。天候にも恵まれての法会となりました。
夕刻の17時より参列者の受付を開始し、18時半より数珠掛け地蔵尊前で水子供養の総回向法要と皆様からお預かりしたお数珠の法要を厳修しました。法要は、本堂に於いて住職が般若心経を一貫読経の後に、皆様が待っているお地蔵さまの前に移動し始まりました。法要では、永代水子供養の水子さん、また塔婆供養の水子さんの読み上げを行わせて頂きました。お数珠の供養は、皆様からお預かりしたものを一連の大きなお数珠にし数珠掛け地蔵尊の首に掛けさせて頂きました。法要が終わるころには日が落ち、献灯頂いた灯りがお地蔵さまを照らし、いつも以上に荘厳な雰囲気が漂っていました。この法会においてお地蔵さまの前には、たくさんのお供えの花とお菓子等で賑やかな祭壇になっていました。また、写真にも写っています足下の献灯は予定数よりも多い数のお申し込みを頂いていました。多くの方のお陰様で無事に『点灯会』は円成の運びとなりました。お礼申し上げます。また、この法会の開催にあたり黄檗宗内の和尚様、また煎茶道の先生方にもご協力頂きました。併せて、お礼申し上げます。皆様、誠にありがとうございました。また、来年も皆様と一緒にこの法会が執り行えますよう祈念申し上げます。
今回、献灯頂いた灯りは16日20時より墓地に於いてお盆の読経の際に送り火として使用させて頂きます。
最後に、法要後にお話しした内容を少し書いておきます。今回は、数珠掛け地蔵尊の脇におられます二体の童地蔵(わらべじぞう)さんについてお話させて頂きました。
普段、お寺へお参りの方とお話をしていますと、『なぜ、横のお地蔵さんは怒った顔をされているのですか?』と聞かれることがあります。確かに厳しい顔をされているのですが、この童地蔵さんは字の如くまだまだ幼く、子供の事が大好きな心の優しいお地蔵さまであります。厳しい表情は、この供養の場を一生懸命お護り下さっている表情であると私は思っています。
何かその方が心を苦しめるものを抱えていたり、焦る気持ちがある時、どうしても心のゆとりというものが無くなってきてしまいます。そういった心が、お地蔵さまの表情を見て怒っておられるという風に映したのかもしれません。仏教の言葉に『唯心(ゆいしん)』というものがあります。諸々の事象はそれを認識する心の現れであり、存在するのは心だけであるとするものです。お地蔵さまが怒っている様に見え心にゆとり足りてないなと感じた時は、ご自身を少し休める時間を作るのも良いかもしれません。お地蔵さまにお参りし、心を落ち着けゆっくりと手を合わす。それも心のゆとりを作る時間であるかなと思います。
宝善院へお参りの際に、数珠掛けさんの前に立った時、脇のお地蔵さんが不思議と怒っている様に見えることがあれば、少し立ち止まりご自身のこころを見つめなおして頂いても良いかもしれません。そんな事を思いながら、またお参り頂ければ幸いです。
水子供養と永代供養墓の京都のお寺
〒611-0011 京都府宇治市五ヶ庄三番割34-3
宝善院(ほうぜんいん)
副住職 秦 崇志(はた そうし)
電話 0774-32-4683