日日是好日

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春色無高下

2021.04.18

黄檗カレンダー令和三年三・四月の書です。

黄檗カレンダーは黄檗宗青年僧会発行のものです。

『春色無高下』

黄檗宗青年僧会カレンダーの書。令和三年三・四月分です。

【書き下し】春色高下無し(しゅんしょくこうげなし)

最初の春色は、春の日差しの事を指します。春をむかえ、暖かな日差しが山や川、花々や木々、すべての動物など普く(あまねく)ものに降り注ぎます。そこには、高下・厚薄(こうはく)の差も無くすべて平等であることを表しています。言い換えれば、春は一様にすべてのものに平等に降り注ぐとなります。

この句には対句があり、「華枝自短長(かし おのずから たんちょう)」と続きます。華枝(かし)は字の如しで花の枝のことです。花の枝は、一様の日差しを受けて育っても、自然と長短が出来てくるとなります。すなわち、上の句は「平等」・下の句は「差別」とし、平等の中におのずから差別が存在していることを表している句です。

私たちの生活でも同じで、会社や学校その他の集まりでもそれぞれが一人一人違います。「差別」という言葉は否定的な言葉に感じますが、時には必要なものだと思っています。それぞれの特性によって分けられている集団や個人が、それぞれの立場として物事を進めていく。平等あるいは公平の中で、個々が違いを認め互いに助け合いながら社会生活を過ごしていくのが必要であると感じます。違いはあっても、同じ人権を持った人間であり、仏様の心をもった人間であります。そこでは、互いを敬う気持ちを絶対に忘れてはいけません。

4月も後半に差し掛かり、新しい環境になった方も少しずつ慣れてきた頃ではないでしょうか。今回の禅語の『春色無高下 華枝自短長』を一つの道しるべにするのも良いかもしれません。

 

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